前向きニュース (2013年11月24日)


『笑顔を記憶』

相手の11点目が入ってコールドで試合が終わった時、次の回の攻撃を考えていた僕は不意をつかれた。
前の試合、大差で負けた時は、どうやればこの試合を終われるか、早く終わらせたいと考えていたが、今日はもっとやりたかった。
今シーズン最後の公式戦はそんな試合だった。
バッティングの良さを買って1番に起用したセイダイが、見事に期待に応えて出塁。3番リンダイのタイムリーで生還した初回の攻撃は素晴らしかった。
相手の内野フライをタイチが捕って、飛び出した1塁ランナーを刺したダブルプレーには、ちょっと感動した。
2回裏の2アウト満塁のピンチを三振で切り抜けた時は、思わずガッツポーズが出た。
いいところが出た前半と悪いところが重なった後半と、選手達は色々な顔を見せてくれた。

セイダイは良いバッティングだった。
守備や走塁には課題が多いが、リードオフマンとして良い働きをした。
気分屋でお調子者で練習中叱られることも多いが、こういう選手は学年が進んで責任感が出てくるとチームの雰囲気を作る大事な役割を果たす。
小さくならずにそのお調子者を進化させて磨いてほしい。

マオは塁には出れなかったが、バッティングが良くなった。
いつも振り遅れて右にしか飛ばせなかった打球がセンター方向に飛ぶようになった。
内野ではいつも大きな声を出して、内野のリーダー的存在だ。
身体が大きくなってきたらまたピッチャーに挑戦させたい。

リンダイの先制打は良いセンター返しだった。
3塁ランナーのとき、キャッチャーのパスボールを見て突っ込みかけて、壁に当たって戻るのを見て引き返した。ちゃんとそんな判断ができるようになった。
以前のように周りを全然見ずにプレーすることは少なくなったところに成長を感じる。
守備を磨きながら、来年はエースになってほしい。

コウタはジャンケンに勝った。
「先攻です!」と言いながら、まるで試合に勝ったような嬉しそうな顔で戻って来るその笑顔が持ち味だ。
キャッチャーは目立つし、4番の期待もあるから厳しめに見られるが、キャプテンとしての意識をいつも持っているから、監督としては信頼できる。
結果は出ていなくても大丈夫、そのまま伸びて行ってほしい。

試合前に今日の抱負をみんなの前で語らせたときハルは多少時間がかかったが、ちゃんと自分から声を発して語った。
以前のハルならここで黙ってしまい、無為な時間を過ごすことになるのだが、そうはならなかった。
試合後の反省会でも試合中に注意されたことを反省点として自ら語った。
そんな風に前に自分を出すことができるようになるともっと活躍するはずだ。センスはあるのだから。

珍しく四球が多かったとはいえ、タイチはナイスピッチングだった。
最終回になかなかアウトが取れず、くさってしまい泣き出すくせは出ていたが、そんな中でも監督の話を聞こうとしていた。
キャッチャーにポジションチェンジした時に、ちゃんと声だして切り替えていた姿が立派だった。

ケイスケはバッティングの良さを買って起用したが、三振だった。
あそこで打っていたらと思わせるくらい期待していたので残念だったが、3つともいいスイングだった。
もう1打席打たせたかった。
守備でもボーッとしてる様子もなくなり、次が楽しみだ。

サードのユウダイはベンチが近いせいもあって、コーチに随分いろいろ言われていた。
ゴロが捕れなかったり、牽制球を逸らしたり、以前のユウダイならこのまま落ち込んで下を向いてしまいそうなところで、しっかり前を向いていた。
昨日の練習でもそんな姿が見られた。
確実に強くなっている。
守備も打撃も形は良いから筋力が付いてくればもっともっと活躍できる。

急造セカンドのユウマは、昨日教えたことをしっかりとやっていた。
ユウマはこちらの言うことを理解する力がある。いろいろ反論してくるから手間もかかるが、理解力があるからこそなのだろう。
野球は頭を使うスポーツだから、こういう選手は重要だ。高学年になるとますます楽しみだ。

ケンジロウを守備固めで使うべきだったかな、と後で思った。
身体も大きくなってきて、投げる球がとても力強くなってきた。
バッティングはまだまだだが、守備では動き方もわかってきて、良い動きをするようになっている。
この1年ですごく伸びたと思う。

エイシンはだいぶ投げ方が良くなってきた。
まだまだ身体の使い方や野球のルールなど覚えること満載だが、時々身体をうまく使えた時の姿はカッコイイ。
貴重なレフティー、これからが楽しみだ。

昨日あんなに元気だったカンタがいなくてちょっと寂しかった。
昨日のバッティング練習ではいい当たりをいくつか打っていて、張り切っていたのに。
身体も大きいし、伸びしろたっぷり。これからに期待したい。

体調を崩したトモキがいなかったのは残念だった。
誰よりも一生懸命取り組むトモキはチームに必要な存在だ。
体調整えて戻ってきてほしい。待っているから。

入ったばかりのシュンペイの初試合応援の感想は「寒かった」だった。
そう、ベンチで座っていると寒いから、試合に出られるように頑張ろうな。


負けた試合は負けに繋がったシーンが印象に残る。
でも、この試合前半、2回裏まではこっちのペースだった。
1,2回、0点に抑えてベンチに戻って来た時のあんなに嬉しそうな選手達の顔は今まで見たことないものだった。
このCチーム今年最後の試合は、あの嬉しそうな顔を脳裏に刻んでおきたい。
来年はあの笑顔を何度も見られるように、それ以上の嬉しい顔を見られるように。

池谷